神澤 公氏
ローム 研究開発本部 副本部長

 多くのエレクトロニクス・メーカーが,次世代の有望分野として目を向け始めているバイオ・医療・ヘルスケア市場。現時点ではまだ,各社とも手探りの取り組みが多い中,ロームがバイオ市場に本格的に打って出ることを宣言した。この第1弾として,2008年10月30日にはウシオ電機と三和化学研究所と共同開発した血液検査システムを発売したばかり。半導体メーカーとして培ってきた技術を応用し,新たな領域へと踏み出そうとするローム。同社でバイオ分野の研究開発を先導する神澤氏に,新分野に参入する狙いなどを聞いた。

─バイオ分野への本格的な参入を表明されました。この分野に対する期待を教えてください。

 バイオ分野は「宝の山」だと思っています。未踏の分野であり,そこにはまだ誰も踏み込んでいない「新雪」があるんですよ。何もない状態から,つまりゼロから作りだせるわけです。それが魅力です。技術者のモチベーションも非常に高くなりますし,研究開発本部として,ぜひ「やりたい」と思える分野です。