「今回はかつてないマグニチュード(規模)の難局」(ソニー 執行役 EVP 兼 CFOの大根田伸行氏)─。

 2008年10月下旬,ソニーが緊急記者会見を開いた。2008年度通期の連結業績予想について,大幅に下方修正するという内容だった。営業利益の下方修正額は2700億円に上り,そのうちエレクトロニクス部門の減益分が1900億円と,大部分を占めた。同社のエレクトロニクス部門は2007年度に過去最高の売上高・営業利益を記録していたが,一転して苦境に陥った形である。

 ソニーは氷山の一角にすぎない。深刻な業績悪化により,社長交代劇にまで発展したのがパイオニアである。同社は,2008年7~9月期の決算発表と同時に,代表取締役社長の須藤民彦氏が辞任し,常務取締役の小谷進氏が2008年11月16日付で代表取締役社長に就任する人事を発表した。