大容量キャパシタである「Liイオン・キャパシタ」の実用化に向けた動きが加速している。Liイオン2次電池と電気2重層キャパシタのハイブリッドともいえるこの新しいデバイスは,電気2重層キャパシタを大きく上回る性能を持つ。一部のメーカーは量産を表明しており,2011年ごろから市場が立ち上がるとみられている。期待が高まるLiイオン・キャパシタの実力と可能性を探る。

 「既存の電気2重層キャパシタを置き換えるデバイスになり得る」――Liイオン・キャパシタの開発担当者は異口同音にこう語り,その性能と将来性に自信を見せる。以前から開発が進められていたが,2005年に富士重工業がポリアセン系材料を用いて大容 量化する技術を発表したのを契機に開発が加速した1)。2008年には量産に踏み切るメーカーが現れ,2010~2011年にかけて本格に市場が立ち上がるとみられている。