超薄型テレビの本命技術とみられる有機ELが今,照明業界からも熱い視線を浴びている。蛍光灯や白熱電球といった既存光源,さらには省エネルギーの追い風を受けている白色LEDでは実現が困難な,新たな照明の形態を得られる可能性を秘めているからだ。

 照明に向けた有機ELの研究開発は,以前から進められてはいた。ここにきて輝度や寿命といった特性が照明に使える水準に達し,有機EL照明の現実味が高まっている。照明市場は10兆円規模と巨大なこともあり,照明関連以外の企業や研究機関からも英知が有機EL照明に集まってきた。