日経オートモーティブ 連載 自動車部品進化論

新しい骨格で軽量化狙う
部品点数を25%減らす

乗員の体を支えるシートは安全性の向上に伴って質量が増大してきている。さらにシートアレンジの簡単さなどの利便性、リラクゼーション機能といった快適性を高める機能も付与されている。高張力鋼板の使用で先行したトヨタ紡織だが、次世代シートでは現行品の10%以上の軽量化を狙う。


 自動車用シートは、長い間フロントシートの開発に重点が置かれてきた。特に、1995 年に「JNCAP(自動車アセスメント)」が開始され、1997年に「EuroNCAP」が始まると、衝突安全への対応が重視されるようになる。
 今では側面衝突に備えるサイドエアバッグや、むち打ち対策のためのアクティブヘッドレストを備えるシートもある。後者ではトヨタ自動車の「レクサスLS」で、後突車両を検知して事前に位置を移動させてむち打ち被害を抑えるタイプも実用化されている。また、シートベルトの巻き取り装置を内蔵したり、衝突時に積み荷の移動に対応する強度向上の必要性から、シート骨格の強化が進んでいる。

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