ダイハツ工業「ムーヴコンテ」

 ダイハツ工業は2008年8月、新型軽自動車「ムーヴコンテ」を発売した(図)。プラットフォームなど基本仕様はベース車の「ムーヴ」を継承するが、運転席に電動スライドシートを導入して使い勝手を高めている。一方で、アッパーボディにまで部品共用化の範囲を広げ、大幅な低コスト化に取り組んだ。

 ムーヴコンテは、CVT(無段変速機)搭載モデルで、燃費性能や静粛性を高める取り組みを実施した。吸気の取り入れ口は、これまでのエンジン付近から右タイヤ付近に移動した。エンジンから吸気取り入れ口を離すことで、吸気温が下がり、吸気の充てん効率が上がるとともに、ノッキングも起こりにくくなる。
 ムーヴコンテのCVTモデルの車両質量は、ベース車両のムーヴのCVTモデルと比べて10kg増えて850kgとなった。しかし、こうした対策に加えて、細かな改良を積み重ねることで、2輪駆動車の燃費(10・15モード)は、ムーヴと同じ23km/Lを確保した。

軽自動車「ムーヴコンテ」
軽自動車「ムーヴコンテ」
丸みを帯びたデザインの「ムーヴ」をベースとした派生車で角張った形状とした。部品の共用率を、同社として初めてアッパーボディにまで広げたことで、部品の共用率は75%に高めた。