【特報】PLM,遅れて来た主役 BOMにスピードを

後工程の着手時期を前倒しして,リードタイム短縮を図るのがコンカレント・エンジニアリング。これまで3次元モデルが主役だったその取り組みに,部品表(BOM)情報が加わろうとしている。それどころか主役が交代してしまうかもしれない。利用範囲の広い部品表情報は,製品ライフサイクル全体にわたって業務を支援するというPLM本来の考え方にむしろ近い存在だからだ。

 3次元モデルを設計開発の早い段階から生産技術部門などに流し,生産技術部門で工程設計などの生産準備作業の開始を前倒しする,コンカレント・エンジニアリング。その枠組みに,部品表情報を組み入れることによって,この取り組みをさらに前進させようとする企業が増えている。  例えばコニカミノルタ・グループは,医用機器事業に携わる関連会社間で部品表情報の共有を構想中。それにより「生産手順の決定を試作の前に早め,量産立ち上げを引きつける」(コニカミノルタテクノプロダクト技術部生産技術グループの佐々木克司氏)考えだ。(以下,「日経ものづくり」2008年9月号に掲載)

図●製品開発段階での3次元CADデータと部品表の現状
図●製品開発段階での3次元CADデータと部品表の現状