PDPテレビの主体は液晶テレビよりも大画面であるため,より大きな電力を供給できる電源が必要になる。さらに,PDP用電源は高い出力電圧が必要で,かつ2系統の放電回路に電力を供給しなければならない。今回は,PDP用電源への採用が進むハーフブリッジ半波電流共振方式を解説する。(大久保 聡=本誌)

京野 羊一
サンケン電気 技術本部 PM事業部

 フラットパネル・ディスプレイ(FPD)において,液晶テレビに次いで生産量が多いのがPDPテレビである。液晶パネルとPDPの大きな違いはその発光原理にあり,電源の違いとして表れる。液晶パネルは画素自体が発光するわけではなく,パネル裏面に配置された光源からの光の透過量を,液晶分子により調整して色を再現している。そのため,電源には冷陰極蛍光管(CCFL)インバータやLEDドライバなどの駆動用として,比較的低い出力電圧が必要になる。一方,PDPは小さな蛍光灯が無数に敷き詰められているような構造となっていて,画素自体が発光するという特徴を持っている。出力電圧は比較的高い。