「それやったら,他社とおんなじや。それでほんまに勝負できると思っとるんか!」─。

 2003年8月。パナソニック モバイルコミュニケーションズ(以下,パナソニック モバイル)の行武剛(現・技術統括センター 技術開発センター ハードシステム開発グループ グループマネージャー)は,社内懇親会の会場で松下電器の半導体部門トップの古池進(現・代表取締役副社長)に詰め寄られていた。松下グループ初のワンセグ携帯電話機に向けて行武が提案したSoC(system on a chip)の構成案に,古池が異議を唱えたのだ。