Daimler社の次世代技術

 ドイツDaimler社はスペインのセビリアに報道関係者を招き、HCCI(均質予混合圧縮着火)エンジン搭載の「F700」に同乗試乗させるイベントを開催した(図)。併せて、多様化する次世代技術のロードマップを公開。ここ数年の間に内燃機関の高効率化とハイブリッド化を進め、燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)にも取り組む。

 F700は2007年秋のフランクフルトモーターショーで最も注目された環境コンセプト車。ディーゼルとオットーからの造語で「DIESOTTO」と呼ばれるこのエンジンは、燃焼温度の低い超希薄燃焼により、後処理なしでもNOx(窒素酸化物)排出量を低く抑えられ、ディーゼル車並みの低燃費が可能とい う。
 従来、限られた領域でのHCCI燃焼の報告はあるが、車載した例は少ない。2006年12月にドイツVolkswagen社が合成燃料で走るCCS(Combined Combustion System)を、米GM社が2008年5月に「Saturn Aura」を試験走行させているに過ぎない。
 F700は、175kW(238PS)を生む排気量1.8L・直列4気筒ターボエンジンに、出力15kW(20PS)のモータを内蔵するドイツZF社製8速自動変速機(AT)を組み合わせたマイルド・ハイブリッド・システム車。

HCCI(均質予混合圧縮着火)を採用した「F700」
HCCI(均質予混合圧縮着火)を採用した「F700」