セイコーエプソン 代表取締役社長
碓井 稔氏

 1990年代,セイコーエプソンは「写真画質」をうたうインクジェット・プリンターを発売し,プリンター・メーカーとしての地位を揺るぎないものにした。その商品の核となるインクジェット・ヘッドの「生みの親」である碓井氏が同社 社長に就任した。技術系出身の同氏が,研究開発部門に何を注ぎ込もうとしているのかを聞いた。

─セイコーエプソンにとって今,何が必要になっているのでしょうか。

 2008年度は収益がある程度回復してきていますが,売り上げは最近減収傾向が続いています。ですから,新しい成長軌道を描き出さねばなりません。それには,消費者に喜んでもらえる新商品を提供する必要があります。技術系出身の私が社長に就任するということは,そのような大きな期待が込められていると実感しています。