【多視済済】希少材料を“枯らす”技術の狙いとは?

 原油や金属など,資源価格の高騰はとどまることを知らない。だからといって,材料の使用量を減らすにしろ安価な材料で代替するにしろ,品質や性能を落とすわけにはいかない。知恵の使いどころだ。
 この課題に,ヤマハも直面した。同社が製造するアコースティック・ギター「L」シリーズには,北米原産の「エンゲルマン・スプルース」(エンゲルマンSP)という針葉樹を使う。その中でも,正目が通っている,目が一定の間隔で詰んでいる,枝が出ていないものが良いとされる。それには,天候の変化が少ない北斜面で育った,樹齢100数十年の材料を確保せねばならない。(以下,「日経ものづくり」2008年7月号に掲載)