【連載】新基準新規制

世界最高水準と言われる「ポスト新長期規制」が2009年に始まる。日本の排ガス規制が、一応の終着点に達したことになる。技術の開発競争は、それでも終わることなく続く。


 国土交通省は2008年3月、新車の乗用車およびトラック・バスが排出するNOx(窒素酸化物)とPM(粒子状物質)を低減するため排ガス規制を強化した「ポスト新長期規制」を制定した。国交省自身が「世界最高水準」と呼ぶ厳しい規制となる。米国の「Tier2Bin5」など、一部の項目でさらに厳しいものもあり、異論はあるのだが、最高“水準”ではあるようだ。3月25日から新規制に基づいた新型車の審査が始まり、規制は2009年10月から順次適用する。
 ディーゼル車については、乗用車と、トラックの中でも一番軽いGVW(車両総重量)1.7t以下のクラスに対して、NOx を現在の基準より40 ~ 65 %低減して0.08g/km にした(表)。またPMは53~64%低減して0.005g/kmにした。項目によって若干の出入りはあるのだが、全体として基本的にガソリン車と並ぶ水準の数字になる。