映画や音楽といったデジタル・メディアや,その配信手段が多様化している。この結果,コンテンツを再生するデジタル家電は複雑さの度を増している。コンテンツの種類が変わるたびに,ユーザーが再生時に手作業で適切な設定を選ばなければならないのが実情である。残念ながら,設定する数があまりにも多く面倒なため,多くのユーザーが製品を誤ったモードや設定のまま使っている。THX社は,テレビなどデジタル家電の操作や設定を簡単にするための技術「THX Media Director」を開発した。このメタデータをベースにした技術は,コンテンツの再生装置に“シンプルさ”を取り戻すものとして期待されている。(Phil Keys=本誌)

Michael Rudd
米THX Ltd.
Chief of AV Architecture

 現在,我々は自宅で地上波放送や光ディスク,ケーブルテレビだけでなく,インターネット上の各種コンテンツをテレビで楽しめる。まさに膨大なコンテンツを自宅で楽しめるわけだが,選択肢の増加は利益のみをもたらすわけではない。