赤色/赤外のLEDや半導体レーザにおいて,正常と見なされた発光素子が急に動作しなくなる「頓死」は大きな問題となる。頓死によって機器は予期しない不具合に見舞われるからだ。最終回は,この頓死のメカニズムと防止策について解説してもらう。(根津 禎=本誌)

上田 修
金沢工業大学大学院 工学研究科 教授 高信頼ものづくり専攻 専攻主任

 これまで,赤色/赤外発光素子の劣化について,その発生メカニズムと劣化防止に向けた対策を解説してきた。主に,「速い劣化」「遅い劣化」「衝撃劣化」について説明してきた。今回は,実用上問題となる「頓死」と呼ばれる現象について述べたい。