インジウム(In),ガリウム(Ga),亜鉛(Zn),酸素(O)から成るアモルファス酸化物半導体は,フルHDを超える高解像度の大画面テレビ向けTFTに適用できる可能性がある技術として注目を集めている。アモルファスSi TFTより高いキャリア移動度と低温多結晶Si TFTより小さい特性バラつきを示すためである。加えて,比較的低温のプロセスで作製でき,かつ可視光に透明などの性質を備えるため,新しい用途の開拓に利用できそうだ。今回は,有機ELテレビなどへの応用を積極的に検討しているSamsungグループの研究成果を紹介する。(野澤 哲生=本誌)

Jang Yeon Kwon氏
韓国Samsung Advanced Institute of Technology (SAIT)

Display Device &Processing Laboratory
R&D Staff Member


 この論文は,本誌が2008年3月3日に開催したセミナー「進展する大面積エレクトロニクス─有機や無機,印刷などを駆使したシート状デバイスの実力を探る─」における,Kwon氏の講演「Oxide TFT for Active Matrix Display」の内容を基に編集した。