【技術がつなぐ中小企業リレー】曙機械工業、三恵ハイプレシジョン

曙機械工業

抜き型裁断機関連の3分野でトップ競う
独自の「バリアブルカット」も展開

 曙機械工業は,樹脂シートなどの裁断に用いる抜き型裁断機の総合メーカーだ。機械式,油圧式,高速カッタなどの標準機のほか,特注やシステム化にも対応する。  抜き型裁断機は,鋼板を曲げて造る「トムソン刃型」と呼ばれる抜き型で,樹脂シートやフィルムなどを打ち抜いて所定の形状を得る加工機械。トムソン刃型は金型に比べて約1/10のコストで造れるため,加工費を削減できる。  古くは足袋などの布製品や印刷用紙の加工に使われたが,近年はコストの低さが評価されて液晶偏光板向け多層フィルムや食品トレー,両面テープ,衝撃・振動吸収性ゲルなどの加工に広く普及している。(以下,「日経ものづくり」2008年5月号に掲載)

三恵ハイプレシジョン

難削金属の微細加工に強み
仕上げ用バレル研磨機も開発

 三恵ハイプレシジョンは,半導体や光通信,航空機など先端産業に使われる金属部品の微細切削加工を手掛ける。難削材といわれるニッケル基合金,窒化ホウ素,銅タングステン,グラファイトなどの加工を得意とし,顧客は全国に及ぶ。  創業は1967年で,一般産業用機械の設計製作会社としてのスタートだった。機械に使用する部品の内製で部品加工の基礎を固めた。精密加工分野への進出は創業から約10年後のこと。原子力発電関連の会社から燃料棒に使用する金具や板ばねの加工を受注したことがきっかけである。使用素材はSUS304Lやニッケル基合金などの難削材で,厳格な品質管理が求められた。その業務をこなしたことが今の事業につながった。(以下,「日経ものづくり」2008年5月号に掲載)