腕時計のように身に着けた端末が,
あなたの1日の行動を見守り,常に適切なアドバイスをくれる─。
2008年はそんな時代に向けた萌芽の時である。
個々人の行動や生体情報などを記録し続ける「ライフ・レコーダー」への取り組みが,
あちらこちらで,にわかに活発になってきた。
まだ芽生えたばかりだが,それは我々の生活を変えるほど大きなインパクトを持つ。

 2008年2月,日立製作所は価格が50万円の「腕時計」を発売した。決して高価な宝石をちりばめたわけではなく,もちろん同社が時計事業に参入したわけでもない。確かに時刻表示の機能も備えているが,それが本来の機能では決してない。実は,この「腕時計型端末」の正体は,利用者の脈拍や皮膚温度,動きなどを24時間連続して測り続ける計測器なのである。