日産自動車が満を持して市場へと送り出した「NISSAN GT-R」。その心臓部として搭載されるのが,最大トルク588N・m,最高出力353kWという高い性能を誇る新開発の「VR38型エンジン」だ。排気量3.8LのV型6気筒ツインターボ・エンジンである。
この高性能エンジンを,流れ作業による既存の生産ラインでは実現できない高い精度と品質で組み立てるため,同社は従来にない新しい取り組みを随所に採用している。VR38型エンジンだけのために用意した作業環境,そして特別な熟練作業者である。(以下,「日経ものづくり」2008年4月号に掲載)
図●VR38型エンジンの組立ルーム