長い歴史を持つ磁気センサは,折り畳み型携帯電話機の開閉検知などの用途への採用がきっかけとなり,大きく市場が拡大し始めた。ここにきて,1mm角で0.4mm厚前後の製品が登場するなど小型化や薄型化が着実に進展している。新規参入メーカーも増える中で,製品選択のポイントや実現技術の特徴などを解説する。

 磁気センサは,小型の磁石を動く物体に配置し,磁界の強さやその変化をとらえて物体の接近や移動,あるいは回転を検知するセンサである。同じく磁界を検知する地磁気(方位)センサや,従来の磁気テープ向け磁気ヘッドなどとは,動作原理こそ似ているが,検知できる磁束密度の高さが異なる。