ワンセグ視聴機能が備わって以来,折り畳み型携帯電話機の形状は大きく様変わりした。顕著な変化の一つが,液晶パネル側筐体の機構部に開閉だけでなく,回転機能を備えた機種が増えたことだ。そうした機種はキーパッド側の筐体にカメラを載せることが多く,撮影時にカメラを指で遮りやすいなど使い勝手に課題がある。

 通常,開閉/回転機構を持つヒンジには配線数が40本前後の細線同軸ケーブルしか通せない。液晶パネルとベースバンドLSIを接続するパラレル・インタフェースの配線は25本程度。スピーカーや着信表示用LEDなどへの配線を合わせると,配線を増やす余裕がない。カメラの接続には24本の専用配線を追加する必要があるが,実現は極めて難しい。