「なぜコンピュータはもっと生物の脳のように振る舞えないのか。有り余るトランジスタを,我々は一体何に使えばいいのか」─。

 2008年2月に開催された半導体回路関連の国際会議「ISSCC(International Solid-State Circuits Conference) 2008」において,基調講演に登壇した米Numenta, Inc.創業者のJeff Hawkins氏は多数の半導体技術者を前に,こう問い掛けた

 同氏は元々,PDAベンダーの米Palm, Inc.や米Handspring,Inc.の創業者だが,現在は社員15人のNumenta社において脳の知能の仕組みをコンピュータに生かすための研究に取り組む。2004年に米国で出版した著書「On Intelligence(邦題:「考える脳 考えるコンピューター」)」で,脳の知能の研究に再び脚光を当てた人物だ。