携帯電話業界で世界最大級のイベントである「Mobile World Congress 2008」。2008年2月中旬にスペイン・バルセロナで開催され,過去最大となる5万5000人以上が参加した。注目を集めたのは,Google社のソフトウエア・プラットフォーム「Android」の試作機や関連実演,「LTE」や「モバイルWiMAX」といった次世代モバイル・ブロードバンドの規格動向,そして畳み込み型電子ペーパーや超小型プロジェクター・モジュールなど,要素技術の進化である。

 携帯電話サービスにかかわる企業は今,世界的な変革の波に大きく揺さぶられている。

 5大携帯電話機メーカーの一角である米Motorola,Inc.すら,収益低迷を理由に事業分離の検討を開始した。米Google Inc.が無償で提供するソフトウエア・プラットフォーム「Android」の登場により,OSやミドルウエア,さらには携帯電話機のハードウエアも含めて,企業構成が今後大きく様変わりすることは間違いない。