「私の発表,私の発明。『象キリン(gelephant)』の権利は,私が独占してます」

 米EchoStar Communications Corp.側の弁護士,米Ireland, Carroll & Kelley, P.C.のOtis Carrollは,自身の冒頭陳述で紹介した造語にまず触れた。米Forgent Networks, Inc.が保有する米国特許番号6,285,746 (746特許)を揶揄した言葉である。746特許のクレーム(請求項)と,要点や背景といったその他の部分は,象の頭をキリンの体に載せたほどちぐはぐだ─。

 Forgent社がEchoStar社を746特許の侵害で訴えた係争は,四日目の審理に突入していた。いよいよEchoStar社側が主張を立証する番である。Otisが向き合っていたのは,EchoStar社側が最初に呼んだ専門家の証人,Tom Rhyne。テキサスで育ちNASAや米Motorola,Inc.で腕を磨いた,元・大学教授である。