日経エレクトロニクス編集長が語る:R&D新体制とは?

”人材不足”が日本の研究開発力に影を落とす。「自前主義」「自国主義」を貫くと,先行きはどうなるのか。海外の頭脳を取り込まないで,企業は生き抜いていけるのか。グローバル人材獲得競争を追う。

第1部<提言>
中印はもはや低コスト拠点でない

 中国,インドが開発コストの削減手段だった時代は間もなく終わる。数年後には優秀な技術者の人件費が先進国に近づき,将来は先端技術の一大開発拠点になる。米国,欧州と強力な人的交流がある中国とインドの存在感が増すなか,日本企業は今,中国,インドを組み込んだ研究開発戦略を練る必要がある。

第2部<海外最前線>
先行する欧米,日本は追い付くか

 インド,中国,そして最近注目度を高めているベトナム。優秀な理工系人材を豊富に抱えるアジアの国で今,何が起きているのか。そこにかつての常識は通用しない。先端技術の開発に携わる人材を求めて,世界のグローバル企業がしのぎを削る現実があった。

第3部<国内動向>
優秀な海外人材で日本を活性化

 日本企業のグローバル競争力を高めるには,海外拠点のみならず,国内の技術者の活性化が不可欠である。視野が狭まりがちな国内の研究開発拠点に,異なる文化,言語を持った優秀な人材を送り込んで刺激を与える。そんな取り組みが,日本企業で始まっている。