Rachel Krevansの予感は当たった。審理が始まる二日前,2007年5月12日土曜日の夜。米The DIRECTV Group, Inc.が雇った弁護士は,同社は800万米ドルを支払って米Forgent Networks, Inc.と和解するとRachelに告げた。Forgent社が訴えた18社もの企業のうち,最後の味方が姿を消す。残ったのは,Rachelをはじめとする弁護士チームが担当する米EchoStar Communications Corp.だけだった。EchoStar社は,2億500万米ドルの損害賠償を求めるForgent社と,法廷での一騎打ちに臨むことになる。

 それでも,EchoStar社は和解に応じるつもりはなかった。Rachelの同僚で米Morrison & Foerster LLPの弁護士の一人,Charles Barquist─通称Chuck─はこう語る。「僕らの顧客は,本気でこう考えていた。あれはひどい特許で,自分たちに法的な責任はないのにそれほどの額を支払う気はない」。