日経Automotive Technology 2008年1月号
$honshicate

世界戦略車の最適解

グローバルとローカルを両立する

ソーシャルブックマークに追加する
この記事にタグを付ける
記事のタイトルとURLを入れたメールを作って,知人に紹介する
後からこの記事を見られるように保存する
2007/11/30 15:31

【特集】世界戦略車の最適解

【特集】世界戦略車の最適解

【Part1】日本で売っても儲からない

需要構造の変化によって、自動車産業では海外市場優先が加速する。 グローバルに通用するクルマを設計する必要がある。 一方では、各地に合わせたローカルな対応も欠かせない。 クルマが抱えるさまざまな事情によって、対応には幅がある。 北米を市場として重視するか無視するかで、そのクルマの性格はある程度決まる。

 10月末に相次いだ自動車メーカーの決算発表。目立ったのは国内と海外の温度差だった。販売台数を地域ごとに見ると、北米でのマツダを除き、海外はどの地域も前年同期比でプラス、国内だけマイナス。各社とも全く同じ図式、日本の独り負けである。
 前年同期比という瞬間風速だけではない。日本自動車工業会が2006年までの数字をまとめたところ、国内の4輪車販売は9年間に15 %減った(図)。これに対して輸出は好調が続き、9年間に30 %の伸び、2006年には国内販売を上回った。海外生産は9年前から83%伸びた。

図●四輪車新車販売輸出台数台数は15%減、四輪車輸出台数は30%増(トラック・バス含む)
図●四輪車新車販売輸出台数台数は15%減、四輪車輸出台数は30%増(トラック・バス含む)
日本自動車工業会調べ。

【Part2】5車種に見る、それぞれの事情

 トヨタ「カローラ」は2006年10月に全面改良した日本向けの「カローラアクシオ」「同フィールダー」で10代目に突入した(図)。 2007年5月には中国向け、2008年には北米向けも全面改 良、近いうちに世界中のカローラが10代目で揃う。
 この10代目、開発の手順に大きな変更があった。9代目までは、まず、日本版カローラを開発し、それを世界に展開していった。どこでもやっていたことだ。

図●日本向けの「カローラアクシオ」
図●日本向けの「カローラアクシオ」

【Part2】5車種に見る、それぞれの事情

 2007年度上期、日産自動車自身の分析によれば、日本市場の販売に貢献した車種は「デュアリス」と「エクストレイル」だった。前者は1万5000台,後者は1万3000台を販売した。

図●日産「デュアリス」
図●日産「デュアリス」

【Part2】5車種に見る、それぞれの事情

 「どんな車種も、初めは世界戦略車を目指すんですよ」。ホンダ四輪事業本部開発企画室RAD主幹の阿野則生氏は「世界戦略車は作るものではなく育てるものだ」と説明する。
 その成功例が、阿野氏が携わった「CR-V」(図)だ。輸入を始めたばかりの韓国で2007年2月から6月まで5カ月連続で輸入車1位になったことをはじめ、全世界で好評だ。

図●現行「CR-V」
図●現行「CR-V」
世界戦略車に育った。

【Part2】5車種に見る、それぞれの事情

 三菱自動車は2007年上半期、188億円の営業利益を計上、5年振りに黒字に転換した。その原動力が「ランサー(日本名ギャランフォルティス)」だ(図)。2007年末までの見込みでは12万7000台 を販売するという好調さで、これが収益に貢献した。

図●「キャランフォルティス」の「EXEED」
図●「キャランフォルティス」の「EXEED」
世界中、この仕様で販売する。

【Part2】5車種に見る、それぞれの事情

 スズキは思い切った世界戦略車シフトを敷いたメーカーだ。「スイフト」「エスクード」「SX4」を立て続けに発売し、3車種すべてを自ら世界戦略車と呼ぶ。登録車のほとんどすべてが世界戦略車ということになる。

図●スズキ第3の世界戦略車「SX4」
図●スズキ第3の世界戦略車「SX4」

最新号

2010年3月号
日経Automotive Technology
2010年3月号から
Cover Story

ブレーキの多能化が止まらない

クルマの基本機能である「走る」「曲がる」「止まる」。このうち、ブレーキはこれまで止まる機能を担ってきた。しかし最近のブレーキは、走る、曲がる・・・(続きを読む

定期購読のお申し込み 最新号を一冊買う

定期購読者限定サービス

雑誌掲載記事の検索&PDFダウンロード
● 本誌記事を全文検索で探すことができます。
● 探した結果は,本誌記事とほぼ同じ体裁のPDFファイルとしてダウンロードできます。
● 1カ月あたり40ページ分までのダウンロードは定期購読者なら無料です。
アーカイブサービスとは
雑誌掲載記事の検索&PDFダウンロード

購読のご案内

隔月発行(年6冊)
年間購読料(税込み)
1年(6冊):12,600円
3年(18冊):25,200円
一部売価格(税込み):2,400円

バックナンバー

2010年1月号
2010年1月号
Cover Story
主役を狙う伏兵技術

技術開発は筋書きのないドラマ。しかし現実には、誰もが「順当に行けばこう進むだろう」と考える筋書きがある。その筋書きを破壊し・・・


2009年7月号
2009年11月号
Cover Story
EVはチャンスかリスクか

電気自動車(EV)に対する期待が、日増しに高まっている。2020年には世界市場の1割がEVになるという予測も出てきた。ただし・・・


2009年7月号
2009年7月号
Cover Story
2020年へのCO2削減戦略

世界の自動車産業にとって、これからの10年は、まさに生き残りをかけた10年になる。完成車メーカー各社は経済危機に耐えつつ・・・

雑誌バックナンバー