自動車とロボットの中間的存在ともいえる倒立型2輪走行車両は,パワー・エレクトロニクスと制御技術の塊である。中でも重要なのが,その姿勢を倒立静止状態に維持する制御技術。今回はその制御理論を示すとともに,市販キットを使った試作事例も紹介する。(木村 雅秀=本誌)

渡辺 亮
早稲田大学 先進理工学部電気・情報生命工学科 教授

 パワー・エレクトロニクス技術と制御技術を中核としたモービル・パワー・エレクトロニクスは,電気自動車やハイブリッド車などの4輪車への応用から始まった。最近は人型ロボットやロボット除雪機,家庭用ロボット掃除機など,多彩な応用が試みられている。今回は自動車とロボットの中間的存在ともいえる倒立型2輪走行車両について,制御の概要を述べる。