西 一樹
電気通信大学情報通信工学科 准教授

手ブレ補正機能は,デジタル・カメラやビデオ・カメラの標準機能の地位を獲得した。ただし,実際の補正効果は機種ごとに異なる上,露光条件による得手不得手もある。従来は,こうした違いを定量的に示すことが難しかった。電気通信大学の西氏が開発した測定技術は,この問題に一つの解を与える。この手法を使うと,補正がある場合やない場合の,手ブレの3次元的な挙動を測定できる。統計処理に基づき,製品ごとの補正の良しあしを比較することが可能である。パソコン用ソフトウエア以外の特別な装備は一切不要という簡便さもある。手ブレ補正機能の改善や,個人の撮り方に合わせた補正機能の実現などに利用できそうだ。(大槻 智洋=本誌)