モービル・パワー・エレクトロニクスに関する連載の第4回は放熱技術を取り上げる。工業用水などインフラを利用して冷却できる固体装備に対し,移動装備は自前で冷却システムを用意しなければならない。しかも部品の実装密度は高く,熱に起因する問題が起きやすい。熱問題の解決策を説く。(大久保 聡=本誌)

出口 欣高
日産自動車 社会・フロンティア研究所 主任研究員

 地上の移動体の「動き」は,移動体が路面から受ける力によって決まる。路面の状況は移動するにつれて時々刻々と変化するが,常に安定した狙いの動きを実現するには,路面状況によらず路面から受ける力を制御できる制駆動力制御が必要となる。さらに,エネルギー源を装備する,いわゆる自己完結型の移動体には,エネルギー消費を抑える制駆動力制御も求められる。