第1部<同種から異種へ>
GPUの混載に活路
汎用プロセサがSoC化

 消費電力の壁にぶつかったマイクロプロセサ・メーカーは同種のCPUコアを複数集積するマルチコア化によって一度は危機を回避した。しかしこのままコア数を増やしても,特にクライアント機では大きな効果が得られなくなってしまう。そこでにわかに脚光を浴びるようになったのが,異なる種類のコアを複数集積する“マルチ×マルチ”コア構成だ。GPUコアなどを集積し,得手不得手に応じて処理を分散させることに活路を見いだした。マイクロプロセサが周辺のさまざまな回路をのみ込んだSoCになろうとしている。

第2部<変化の余波>
多彩なコアを集積するプロセサ
ソフトの汎用性が課題に

 マイクロプロセサにCPUコア以外のコアを集積する時代がやってくる。特定の処理に強みを持ったさまざまなプログラマブル・コアが登場する。しかし異種コアの集積は,これまで86系マイクロプロセサが誇ってきた汎用性の高さを失うことにつながりかねない。ソフトウエア開発者が複数種類のコアを容易に使いこなせてかつ他のマイクロプロセサでもソフトウエアが動作可能な環境の構築が欠かせない。