日経ものづくり メカトロ講座

第7回:制御の概念設計(2)

制御階層の明確化で安定と自律を確保
車輪の径は段差を考慮して検討

文●茶運び人形実行委員会

 我々プラチナ技研のメンバーは, 概念設計に入ってから,茶運び 人形に組み込むべきロボット・コント ローラの要件,走行部や腕部・手部の 機能・機構について検討を進めてきた。 その結果,これらについては,大枠とは いえある程度見通しを得ることができ た。そこで,次のステップとして,走行 部と腕部・手部の制御方法について 検討を始めることにした。具体的には, 車輪による走行や,茶碗を持ち上げる といった動作の制御方法に関して検 討を開始した(表)。

まずは走行部の車輪の径を検討
 車輪型ロボットである茶運び人形 は,ある程度の凹凸であればそれを意 識することなく走行を続ける。この凹 凸は,畳の目の凹凸であり,最も大きな 段差は,畳の縁の部分である。小さな 径の車輪よりも大きな車輪の方がこれ らの凹凸の道を進ませやすい。
 では,茶運び人形にはどのくらいの 径の車輪を付ければよいのか―。 制御面からの検討を開始するのに先 立ち,我々はその検討から開始するこ とにした。(以下,「日経ものづくり」2007年10月号に掲載

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表●開発設計の各過程で必要となる検討項目
今回は,機能設計としての「アクチュエータとドライバ」,および 計測・制御アルゴリズムとしての「ロボット制御」の部分を取 り上げる。

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