日経ものづくり 事故

松下製Liイオン電池4600万個回収
公表遅れたノキア,松下電池の事情

2007年7月28日,大阪府内の住宅で充電中の携帯電話機から,ボンという音があがった。過熱したLiイオン2次電池のパックが破損したのだ。火の手が上がったわけでもなく,やけどなどの人的被害もなかったが,高温になった携帯電話機がフローリングの床をわずかに焦がした。

 過熱・破損したのは,フィンランド Nokia社製の携帯電話機。搭載してい た松下電池工業製Liイオン2次電池の 電池パックが異常発熱して内圧が高 まり「安全弁が作動して外れた」(松下 電器産業)。事故はそれだけで収まら なかった。10日後の2007年8月7日,静 岡県でもやはりNokia社製の携帯電話 機で類似の過熱事故が起こったのだ。  大阪での事故から半月余りたった同 年8月14日,ノキア・ジャパン(本社東 京)らは,松下電池工業製電池パック の自主交換を発表した。問題の 電池パックは「BL-5C」(図)。2005年 12月~2006年11月に製造されたもの が対象で,国内で16万個,全世界では 4600万個という空前の規模の自主交 換となった。BL-5Cを載せたNokia社 製携帯電話機は,国内ではノキア・ジャ パンのほか,NTTドコモグループ,ソフ トバンクモバイルも販売しており,全部 で7機種が該当していた。(以下,「日経ものづくり」2007年10月号に掲載


図●回収対象となった松下電池工業製のLiイ オン電池パック「BL-5C」


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