日経ものづくり 詳報

5年間で資源問題の解決目指す
希少金属の代替材料テーマが決定

日経ものづくり 速報  経済産業省は,日本が直面する資 源問題に対し5年間で解決のメ ドを付ける「希少金属代替材料開発 プロジェクト」に5テーマを採択したと, 2007年7月13日に発表した。日 本の電機産業や自動車産業などにとっ て不可欠なキー部品の構成元素であ るインジウム(In),ジスプロシウム(Dy), タングステン(W)の3元素に関し,使用 量を大幅に削減する技術や代替材料 を開発する(p.43の別掲記事参照)。
 目標は現在の機能とコストを維持し ながら,Inは使用量を50%以上に,Dy とWは共に30%以上に減らすこととし た。5年後の2011年度にはこうした目 標を達成する製造技術を確立し,各 ユーザー企業などに性能評価用試料 を提供する計画だ。

実現性は高い
 今回,希少金属代替材料開発プロ ジェクトに選ばれたInは液晶ディスプ レイ(LCD)に代表される薄型ディスプ レイの透明電極に用いるインジウム・ スズ酸化物(ITO)の構成元素に,Dy は高性能希土類磁石であるネオジム・ 鉄・ホウ素(Nd・Fe・B)磁石の耐熱 性を高める添加元素に,そしてWは生 産性に優れるスロー・アウエー・チッ プなどの超硬合金切削工具の構成元 素に主に使用されている。 (以下,「日経ものづくり」2007年10月号に掲載

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