日経ものづくり 私が考えるものづくり

日経ものづくり 私が考えるものづくり  昭和40年代ごろ,日本が米国とか 欧州にさまざまなものを大量に 輸出した時代がありましたよね。それ と同じことが今,中国から日本への輸 入という形で起こっている。あと10年 経つとインドなどからの輸入も増える かもしれない。そのときに日本はどうす るべきか。
 あの日本の輸出攻勢に耐えて生き 残った,米国と欧州の企業は何をやっ たでしょう。単純にもの(商品)だけで はなく,違う空間みたいなものを自分で 発見して,その中に自分を入れてるん です。それはサービスという言葉で表 現できるかもしれないし,ブランドって いう言葉かもしれませんけれども,何 かを作り上げてるんですね。
 それを考えると,単純にものづくり回 帰とか,日本はやっぱりものづくりの国 だって簡単には言うべきじゃないと思 う。ものプラスアルファの国だって言う べきだと。精度の高いもの,安いものを 追い求めても,最終的には中国に追い 付かれてしまいますよ。というより,追 い付かれるという前提で物事を考え た方がいいと思いますね。(以下,「日経ものづくり」2007年10月号に掲載

「日経ものづくり」の年間購読および一冊購入の申し込み
定期購読者限定サービス(無料):記事検索/PDFダウンロード