「最近のユーザーは,Googleなどを使ってさまざまなキーワードを駆使しネットワーク上にあるデータを検索するようになった。インターネットでの検索と比べて使いにくい,貧弱と思われてしまうような機器は,製品として許されない。そういう危機感が今,機器メーカーの間に広がっている」─。日立製作所で組み込み機器向けデータベース管理システム(DBMS)を手掛ける関芳治氏(ネットワークソフトウェア本部 Entier事業推進室 主任技師)は,こう語る。

 データを検索するためのミドルウエアとして,機器メーカーの間で組み込み機器向けのDBMSへの期待が高まりつつある。冒頭のコメントに代表されるようにインターネット上の検索エンジンなどの登場により,デジタル機器の利用者の検索に関するリテラシーがこれまで以上に高まっている。そうした中,カーナビや携帯電話機,DVDレコーダー,デジタル・テレビ,オーディオ機器といった組み込み機器においても,情報検索の使い勝手を向上させようと,市販品やオープンソースとして流通するDBMSの導入の検討が一部のメーカーで始まりつつあるのだ。

『日経エレクトロニクス』2007年9月24日号より一部掲載