「未来のテレビ」。こう銘打つ液晶テレビの試作品を,シャープが発表した。奥行きは最厚部でも29mmと,現行の液晶テレビよりはるかに薄い。「真の壁掛けテレビ」の実現に照準を合わせた試作品である。「2010年をメドに量産したい」(同社 代表取締役社長の片山幹雄氏)という。

 この発表は,一般消費者はもとより,同社の技術者に対して片山氏が示した強いメッセージといえるだろう。前社長だった町田勝彦氏は1998年の社長就任時に,「2005年までに日本で出荷するテレビはすべて液晶テレビにする」と発言して話題を呼んだ。当時としては驚くべき内容だったものの,この目標の下で液晶パネルの大型化に向けた開発を強力に推し進めたことで,実際にそれはほぼ現実となった。