小松精練は,有機EL素子を封止するための透明フィルム「小松充填シート」を北陸先端科学技術大学院大学 三谷研究室と共同開発した。有機EL素子のガラス基板と封止用ガラスの間の空間をフィルムで充填して封止する。従来用いられてきた封止方法とほぼ同等の信頼性を維持しつつ,封止工程のコストを約1/2に下げられるという。携帯電話機や携帯型音楽プレーヤーなどで採用が始まっているアクティブ・マトリクス型有機ELパネルに向けるとする。

 開発したフィルムの厚さは10μm。有機EL素子にフィルムを直接密着させて保護する。吸湿機能を備えており,パネル周辺から浸入してきた水分はフィルムに取り込まれるので,有機EL素子に達しない。こうした仕組みで,酸素や水分による素子の劣化を防止する。