機器メーカーが,家庭のAV機器に向けたミリ波通信の研究開発を加速している。ターゲットは使い勝手の向上や,量産時の製造コスト低減である。

 シャープは,電波が直進しやすく回り込みにくいミリ波通信の課題解決を狙い,放射角を赤外線リモコン並みに大幅に改善する技術を開発,伝送装置を試作した。東芝はミリ波通信の送受信回路のコスト低減に向け,製造工程を増やさずに半導体パッケージ中にアンテナを作り込んだ。さらに利得を従来の2倍以上に高めることに成功した。いずれも,アンテナに工夫を盛り込むことで,ミリ波通信の従来の課題を克服しようとする取り組みだ。