日経ものづくり 速報

トイレの製造技術が低コストのカギ
家庭用燃料電池に打って出るTOTO

日経ものづくり 速報  TOTOは,500℃と低温でも作動 する新型のSOFC(固体電解質 型燃料電池)で家庭用途に参入する。 既に円筒型セルを開発し,それを組み 込んだ出力700Wのシステムの試作を 終えている(図)。自家発電装置と給 湯器を兼ねるコージェネレーション(熱 電併給)システムとして需要を見込む。

 家庭用途では,国の支援を受けて 1000台以上のPEFC(固体高分子型燃 料電池)を一般家庭に設置する大規 模実証事業が進んでいる。さらに,コー ジェネではないが,競合する高効率の ヒートポンプ式電気給湯機「エコキュー ト」の普及が本格化している。この競 争の激しい市場にTOTOは打って出 る。「最大の強みはコスト競争力」(同 社総合研究所所長で事業開発部長を 兼ねる佐伯義光氏)。その源泉は,意 外なことにトイレの製造技術にあると いう。まずSOFCとしての特徴,そして 製造技術を見ていこう。