2007年4月,組み込み技術者の育成をテーマにした大学院が開校した。日本の大学におけるソフトウエア技術教育の未熟さにしびれを切らした産業界が,より実践的な教育に根差した「IT専門職大学院」の設立を日本経団連を通して2005年に提言,今回,それが結実した形だ。新設された九つのIT専門職大学院の中で,唯一,組み込み技術を旗印に掲げるのが,東海大学が設置した「東海大学 専門職大学院 組込み技術研究科」である。なぜ今,組み込み技術者の人材育成に大学が取り組むのか。産業界が求める組み込み技術者の人材像とは─。東海大学で同大学院の設立を主導した組込み技術研究科 研究科長の大原茂之氏,そして産業界において組み込み技術の重要性を説くトヨタ自動車 常務役員の重松崇氏。両雄に産学それぞれの視点から今回の組み込み大学院に懸ける抱負と期待,技術教育の将来像について語ってもらった。(聞き手=進藤 智則)

東海大学 専門職大学院 組込み技術研究科 教授
大原 茂之氏
VS
トヨタ自動車 常務役員
重松 崇氏