松下電器産業は,低音の音量を大幅に引き上げることが可能なスピーカー技術を開発し,薄型テレビ「VIERA」の新型PDPテレビに採用した。小型・薄型スピーカーが苦手としてきた低音再生能力の強化を図った。この「ナノベースエキサイター」と呼ぶ低音再生技術は据置型のAV機器だけではなく,携帯電話機といった小型機器でも威力を発揮するという。PDPテレビを足掛かりに,今回の技術を幅広い機器に展開していきたい考えだ。

 ナノベースエキサイターは,スピーカーのキャビネットの構造が同じであれば,キャビネットの容積を技術的には最大2倍相当に拡大する効果を生む。新型PDPテレビでは約1.4倍相当の効果を得ている。これが低音の音量増強につながった。低音を増強せず従来と同程度で構わないケースでは,キャビネット容積を一気に半減することも可能だ。