USBインタフェースを,携帯機器の充電に活用する取り組みが活発化している。国内外の携帯電話業界が,この「USB充電」を導入する方向性を鮮明にしている。デジタル・カメラや携帯型ゲーム機など周辺機器の多くが既にUSBインタフェースを搭載していることを考慮すると,USB充電は今後,爆発的にすそ野を広げる可能性が高い。

 USB充電は現在のところ,携帯機器の一部で利用されているにとどまる。携帯電話機では,純正品でUSBに対応している例はほとんど無い。USBはその仕様上,電流の供給能力が最大500mAにとどまり,満充電までの時間が正規の充電器を使うよりも大幅に延びてしまうからだ。このためUSB充電はMP3プレーヤーなど,電池容量が数十mAh~100mAh程度と小さい機器に限られている。

 この状況を大きく転換させる契機となるのが,中国などで進行する携帯電話機の充電器の標準化である。携帯電話機の種類や,契約する通信事業者の違いを超えて共用できるようにすることを狙う。