厳しい環境に耐えたり,運転者の気ままな要求に応えたりしなければならない移動体向けのモータ。その制御系を設計する際には,外乱抑圧特性や目標値応答特性,ロバスト性に特に注意を払わなければならない。今回はこうした要求に応えるモータの制御系の設計手法について解説する。 (清水 直茂=本誌)

平田 光男
宇都宮大学 工学部
電気電子工学科 准教授

工作機械などの固定設備のパワー・エレクトロニクスでは,高い応答性や位置決め精度が必要となる。このため,高度な制御アルゴリズムを用いることが多く,センサや演算装置にコストが掛かる。ただし,移動体と比較して使用環境が限定されるため,それに特化した設計ができ,高性能化が容易だ。