「『コンビナート』は,片山(社長)が技術者だったころから思い描いていた構想なんです」(シャープ関係者)。シャープは,ガラス基板やカラー・フィルタなどの部材や製造装置,ガス・電気といったインフラ関連の工場を同じ敷地に集結させた液晶パネルの新工場を建設する。同社 代表取締役社長である片山幹雄氏の出身・岡山県にある水島コンビナートからヒントを得て,「21世紀型コンビナート」と銘打った。「複数の企業が別々に工場を構える場合に比べ,産業全体の投資額を圧倒的に抑え込める。こうしたコスト低減こそ,次世代の勝負のカギを握る」(片山氏)と胸を張る。49歳という若さで2007年4月に社長に就任した片山氏の真価を問う,最初の大仕事の幕が開いた。