高密度実装になる移動体では,電磁雑音対策のためにフィルタなどの部品を追加するスペースがあまりない。対策部品を実装できなければ,基本設計からやり直すことも考えられる。製品の開発期間を短くするためにも,電磁雑音を事前に予測して設計を進める必要がある。(田野倉 保雄=本誌)

小笠原 悟司
北海道大学 大学院 情報科学研究科 教授

 インバータやスイッチング電源などのパワー・エレクトロニクス機器は,産業用製品や家電・民生品のみならず,自動車用機器にも広く利用されるようになっている。特に,電気自動車やハイブリッド車などの移動体では,数十~百kW級の大きな電力を取り扱う駆動系にまでパワー・エレクトロニクス機器が用いられる。