第1部<プロパテントの申し子>
これがQUALCOMMウエイ
強い特許で標準を獲る

 プロパテントの優等生といわれるQUALCOMM社。移動体通信の基盤技術が変革期を迎える中でQUALCOMM社も新たな技術の取り込みに躍起になり始めた。関連特許を所有する会社の買収を繰り返すほか標準化の場に多くのリソースを投入する。それらの取り組みはすべて自社のビジネスモデルを守るために。

第2部<4Gの標準化>
いよいよ「IMT-Advanced」
LTE,UMBらが出発点

 次世代の移動体通信システム「IMT-Advanced」は静止時で1Gビット/ 秒,移動時で100Mビット/ 秒以上という超高速の無線データ通信を携帯電話網で実現する。その仕様策定に向けた活動が,いよいよ2008 年から本格化する。ITU-Rは,標準化までのスケジュールをついに固めた。利用周波数帯が2007年秋に順調に決定されれば,伝送方式論争の幕が切って落とされる。

第3部<米国の政策>
特許制度は変われども
プロパテントは揺るがない

澤井 智毅
知的財産研究所ワシントン事務所 所長,日本貿易振興機構ニューヨークセンター ディレクター

 米国の特許制度が,大きな変革の時期を迎えている。特許庁で長年特許行政に携わり,現在は米国ワシントンにおいて特許制度改革に向けた動きをつぶさに観察している著者が,潮流の変化を解説する。