日経ものづくり 中小企業

中村超硬

超硬材料を耐摩耗部品に加工
実装用吸着ノズルで国内トップシェア

 中村超硬は,超硬合金,PCD(多結晶ダイヤモンド焼結体)といった硬くてもろい材料を加工して精密機械部品や治工具を製造している。

 炭化タングステンやコバルトなどの金属粉末をプレス成形した後,焼結させた材料が超硬合金。一方のPCDは,コバルトなどを結合材にして,多結晶ダイヤモンドを焼結したもの。いずれも非常に硬いが,もろいために加工が難しい。同社はこうした材料を研削機や切削機,放電加工機,ロウ付け機などを駆使して微細加工する。

 超硬合金やPCDは刃物など切削工具の材料に使うのが一般的だが,同社ではこれら材料の耐摩耗性を生かした部品に特化している。超硬合金は鉄の3~5倍,PCDは超硬合金の30~50倍の耐摩耗性を備えているからだ。さらに5年前からセラミックスの加工も手掛けている。受託加工なので造る部品はさまざまだが,治具の一種であるセンタレスプレートやベアリング加工用のワークレスト,電子部品の実装に使う吸着ノズルなどが代表的な加工品である。

 中村超硬の創業は1954年。現社長である井上誠氏の義父で旋盤職人だった中村繁氏が独立して中村鉄工所を興した。(以下,「日経ものづくり」2007年7月号に掲載

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