連載3回目となる今回は,移動装備の中核部品であるパワー・モジュールの実装設計を解説する。信頼性を確保するためには,さまざまな使用環境下での故障メカニズムを認識しておく必要がある。熱的,熱応力的,電磁気的な課題を取り上げながら,パワー・モジュール特有の実装技術を説く。(田野倉 保雄=本誌)

廣田 幸嗣
カルソニックカンセイ 開発本部 テクノロジーオフィサ
篠原 俊朗
神奈川県産業技術センター 電子デバイスチーム リーダー
三原 輝儀
日産自動車 研究実験試作部 部長

 固定設備のパワー・エレクトロニクス製品では,組み立てや保守点検を容易にするために,実装密度を必要以上に高くしないのが一般的である。これに対して移動装備の場合は,小型化の要求からできるだけ高密度に実装している。許容スペースの都合で,機構部品と一体化することもある。