2011年に,本当に地上デジタル放送へ完全移行できるのか─。そんな疑問の声をよそに,現行のアナログ・テレビ放送の終了によって空くVHF帯およびUHF帯について,周波数の分捕り合戦が激しく展開されている。

 その第1ラウンドとなったのが,総務大臣の諮問機関である情報通信審議会に設置された「電波有効利用方策委員会」での検討である。周波数の利用希望者を一同に集めて,(1)どういう用途に周波数を割り振るのか,(2)周囲の周波数を利用している別の用途に対する干渉を抑止する技術用件をどう決めるのか,といった議論を2006年4月より展開してきた。